翻訳家の年収ってぶっちゃけいくらなの?翻訳で稼ぐ方法解説します

Aiが進化した現代でも翻訳の仕事は減らない、と実感しています。

それどころか、グローバル化が進み翻訳の仕事は増えているのではないかと、翻訳家のひとりとして感じています。

ネットの自動翻訳機の性能もここ数年でだいぶ良くなっています。

しかし、AIや自動翻訳での訳は意味は合っていても気持ちがこもらない、作者、筆者の特徴や癖を表現するのは機械には無理、というような理由でまだまだ人間の手による翻訳が強い市場です。

英語力が活かせる仕事として翻訳の仕事をしてみたいと思われている方も多いのではないでしょうか?

翻訳の仕事の年収ってどれくらい?

どうすれば翻訳業で食べていけるの?

など翻訳家の内情はあまり表に出ないことが多いかもしれません。

今回は翻訳家の働き方や翻訳分野などからの収入の違いを細かく説明していきたいと思います。

目次

翻訳家は働き方の違いで年収に差が出るってホント?

翻訳家は働き方の違いで年収に差が出るってホント?

翻訳の仕事をしている人の働き方はいくつかに分かれます。

この章では翻訳を仕事をする人の働き方における特徴や年収などについてまとめています。

会社員として翻訳の仕事をする場合の年収

会社員としての翻訳の仕事をする場合、2つのパターンがあります。

①翻訳サービスを専門とする会社で働く場合

②一般企業の業務のひとつとして翻訳の仕事をする場合

翻訳サービスを専門とする会社で働く場合

翻訳サービスを提供することを専門とする会社はいくつか存在していて、その会社で翻訳家のひとりとして所属する働き方です。

この場合、経験やスキルにより待遇は変わってきます。

それほど経験のない方だと年収300万円台、経験をかなり積んだ方で900万円台、最新の平均値は471万円と言う数字がでています。

翻訳業は一般職の平均年収よりもやや高めですが、経験やスキルによって年収差のある職業です。

また、翻訳業のアルバイトの平均時給は1,493円派遣社員で1,695円と出ています。

アルバイトや派遣での業務形態においては一般事務職よりは時給は高いものの、特別に割りの良い仕事ではないと言えます。

翻訳専門会社での仕事内容は?

翻訳を専門とする会社なので翻訳が主な仕事になりますが、会社は様々な分野の翻訳を引き受けています。

そこで働く人は翻訳でもれぞれ精通した、得意な分野があり、レベルに応じて仕事は振り分けられます。

翻訳が未経験であっても留学経験があったり、英検TOEICの高得点など英語力が証明できるものがあると新卒・中途とも採用されやすいです。

また、翻訳会社は同時に通訳サービスも引き受けているところもあり、他言語を話すことの得意な方は通訳の仕事をする機会もあるかもしれません。

一般企業での翻訳の仕事

一般企業で翻訳というポジションを用意していることは稀です。

ほとんどが一般事務職などで入社し、翻訳を業務の一部として行っています。

そのため年収はその企業の他の社員と同等と思ってください。

ですが、入社時、特に中途採用などの場合、語学力が高い、翻訳ができるから採用、となるケースがあると思います。

そういった場合にはプラスアルファの査定はしてくれる可能性はあります。

フリーランスの翻訳家としての収入

翻訳の仕事としてしている人の大半はフリーランスであることをご存知ですか?

フリーランスといっても本業でやっている場合、副業でやっている場合など様々な働き方があります。

そのため年収にも幅があり年間10万円程度しか稼いでいない人から1,000万以上稼いでいる人まで幅広いです。

仕事の受注方法によっても手取り額は変わってくる

フリーランスの翻訳家の場合、自分で仕事を取ってくる場合と、翻訳会社などから仕事を紹介してもらう場合があります。

翻訳会社を通せば自分で仕事を探す手間がない分、マージンを取られるため収入はその分少なくなります。

そのマージン料は高く、決して軽視できません。

通常でも50%〜60%、高いところはなんと70%を持っていかれてしまうのです。

しかし独立したばかりの頃などはなかなか自分で大きめの仕事を取ることは難しいです。

そのため翻訳会社から仕事をもらうことで翻訳の実績を積む時期、と割り切るしかありません。

なのでフリーランスで翻訳の仕事をする場合、自分で仕事を取れるようになることが目標です。

自分で仕事を取れるようになると収入が跳ね上がる可能性を秘めた仕事です。

副業で翻訳の仕事をする場合の収入

働き方はフリーランスと似ていますが、副業の場合はその収入はメインの収入としてあてにしない、という前提があります。

年収というよりは収入という言い方になってしまいますが、翻訳の仕事経験が無くても英語力のある方であれば一件あたり数千円〜数万円の収入が早期から期待できます。

一件数十万円以上の案件の仕事を取れるようになるまでは翻訳経験を積む必要があるでしょう。

翻訳を本業として独立する考えのある方は、前準備として副業で翻訳の仕事を始めておくことをあおすすめします。

副業での翻訳の仕事は将来に向けて様々なメリットがあります。

●経験が積める
●翻訳のレベルを徐々に上げていける
●自分の得意分野を探すのに最適
●将来のお得意様が見つかる可能性

翻訳する分野による翻訳家の年収の違い

翻訳する分野による翻訳家の年収の違い

翻訳といってもその取り扱い分野により収入は変わってきます。

翻訳の分野としては大きく分けて出版翻訳、映像翻訳、実務翻訳の3つに分けられます。

実際は翻訳の分野は幅広いのですが、業界としては3分野に分けています。

ひとつの分野を専門にする翻訳家もいますし、複数の分野を掛け持ちする方もいます。

出版翻訳家の収入

出版翻訳は名前の通り出版される書籍、出版物の翻訳です。

漫画や雑誌などの翻訳も含まれます。

出版翻訳を主に仕事にしている翻訳家の平均年収は500万円〜800万円と言われています。

ただ、報酬の受け取り方によって収入が大きく変わってくる場合があります。

出版翻訳の場合、印税方式買取方式のどちらかで報酬が支払われます。

印税方式での報酬の受け取り方法

出版物の値段 x 発行部数 x 印税率 = 翻訳者への報酬(収入)

※印税率について:印税率は一律に定められて税率はなく、翻訳者のキャリアによっても、出版社によっても変わります。一般的に3〜8%が相場です。

(例)予定発行部数が1万部の1,000円の本を8%の印税率で翻訳した場合の翻訳者に入るお金は:

1,000 x 10,000 x 0.08 = 800,000

という算式で80万円が翻訳者の手元に入ります。

印税方式で翻訳の仕事を受けた場合、その出版物が重版になったり、ベストセラーになった場合、数千万円の報酬、ということも考えられます。

一方、買取り方式で報酬を受け取る契約の場合、報酬は最初から決まった額です。

たとえ翻訳した本がベストセラーになったとしても受け取り報酬額が増額されることはありません。

映像翻訳家の収入

映像翻訳は映画やテレビ番組、インタビュー、そして近年ではYouTubeなどのネット上の動画翻訳などの仕事も映像翻訳に含まれます。

映像翻訳を主にしているフリーランスの翻訳家の収入は400~600万円台です。

ですが、メジャーなテレビ番組や映画などの翻訳をしている方は数千万円以上稼いでいます。

その様なおいしい仕事は名前が売れている翻訳家であったり、その翻訳家の紹介で仕事を請ける会社や個人に回ってしまうことがほとんどです。

そのような事情から、しもべのフリーランスの翻訳家にはあまりチャンスはなさそうですが、仕事をし続けているとそういうビッグチャンスにめぐりあうこともありますよ。

映像翻訳の報酬は映画やテレビ番組は単価が10分ごと、ネットの動画配信は1分ごとに区切られていることが多いです。

以下は単価の相場です。

  • 映画:10,000~20,000円 / 10分ごと
  • BS・CS放送の番組:5,000~15,000円 / 10分ごと
  • YouTubeなどネット配信系:300~800円 / 1分ごと

※ 相場単価はあくまで目安でこれ以上の場合も、以下の場合もあります。

✅ 映像翻訳は日本語→英語の翻訳は英語→日本語の単価の1.5倍以上と割りが良い

✅ 映像翻訳には字幕、ボイスオーバー、吹き替えの3種類があり、単価は字幕が一番高く、吹き替えが一番低い

実務翻訳家の収入

実務翻訳は主に書面の翻訳です。

書面の種類は多岐に渡り、金融、医学、法律、企業マニュアル、学術書、特許文書などで、医療やIT系、工学系など専門知識や確実性が求められる内容のものも多くあります。

一般社団法人日本翻訳連盟のホームページに1ワードあたりの翻訳単価の目安が載っています。

文書の種類・分野 英文→和文 和文→英文
コンピューターマニュアル 28円 20円
一般科学・工業技術 28円 21円
金融 30円 25円
経営管理・財務・契約書 30円 25円
医学・医療・薬学 35円 30円
特許明細書 26円 30円

引用:一般社団法人日本翻訳連盟

実務翻訳家の収入は300万~600万と言われていますが、実績やスキルによって年収差が出る分野です。

また、工学技術、IT系、医療系などの分野は特に知識や経験なしでの独学では翻訳作業は難しいと思われます。

これら特殊でより高度な知識を要する翻訳は翻訳者を養成するスクールなどで専門知識や実務翻訳の基礎を学ぶこともでできます。

実務翻訳の分野の案件を依頼する企業側もフリーランスで訳者を探すより翻訳会社に依頼することが多いため参考年収は会社員としての年収幅です。

翻訳で稼ぎたいならフリーランスでの独立をめざそう

翻訳で稼ぎたいならフリーランスでの独立をめざそう

翻訳家としての収入はもちろん経験やスキルによってだいぶ変わってきます。

翻訳サービス会社などでの会社員としての年収は一般会社員より少し良いものの大差はありません。

私はフリーランスの翻訳家として独立するまでは英語を書く仕事、独学、それと翻訳の副業の仕事でスキルを磨き、経験を積んできました。

翻訳業は努力次第では会社員の数倍の年収が可能な仕事です。

それになにより・・・

  • 定年が無い
  • 最新のITスキル不要
  • 老眼でも大丈夫
  • 実績を積むほどに収入が上がる

これらの要素から人生100年時代に定年後も安定した収入を得られる仕事として一考ありです。

単発の翻訳バイトから始めてみて

全くの未経験者の方、英語が好きな方、英語が得意な方などなど翻訳の仕事での収入に興味のある方は、最初はアルバイト感覚で単発でできる翻訳の仕事から始めてみると良いと思います。

《ステップ1》

まずはクラウドソーシングのサイトで翻訳の仕事の案件を見て見ましょう。

様々なクラウドソーシングサイトがありますが、有名どころは以下です。

手軽に副業できる案件がたくさん載っていますが、人気案件はゲットするための競争率も高めです。

自分の翻訳で収入を得る感覚を体験してみてください。

《ステップ2》

少し実力がついてきたら翻訳専門で案件を紹介してくれるサービスの利用にもトライしてみてください。

無料のものと会員制のものがありますが、翻訳を将来仕事にしていきたい方は会員制サービスをおすすめします。

案件の量は無料、会員サイトともあまり変わらないですが、会員のサイトは案件の質が良く単価が高めです。また、サポートなどもついているので翻訳の仕事が未経験でも仕事が取りやすいなどメリットが多いです。

以下がメジャーな翻訳案件の紹介をしているサイトです。

以上、今回は翻訳家の収入をメインテーマにしたお話でした。

日本人の英語力は低い評価かもしれませんが、それは会話に限ったことで翻訳はまた別物です。

翻訳の仕事を始めることで自分の英語力、日本語力に自信が持てるきっかけになるかもしれませんよ。

生涯のキャリアとして翻訳家は良い選択肢だと思うので興味のある方は小さな仕事から始めてみて下さいね。