アメリカで資格を取って働く【保険エージェント】

アメリカで資格を取って働く【保険エージェント】

「アメリカで働く」をテーマに自身の経験を元にして記事をアップしています。
日本で普通の会社員をしていたのですが、乏しい英語力とともに急に渡米することに・・・
英文科卒でも海外で学んだ経験は3ヶ月の短期留学のみです。

さて、今回はアメリカ生活7年目に突入した頃に取得した資格のお話です。

私の当時の英語レベル(自己評価)

リスニング ★★★★(ビジネス英語のスピードに慣れてきた)
スピーキング★★★(ビジネスレベルとしてはまだまだ)
ライティング★★★★(簡易なビジネス書類なら書けるようになった)
リーディング★★★★(辞書を使えば専門書以外はまあまあ読めた)

目次

アメリカで保険エージェントとしての仕事をする

アメリカで資格を取って働く【保険エージェント】

保険エージェントとは、イメージでいうと日本では車の保険を代理店として個人で販売している人がいると思いますが、そんな感じです。
この頃私はアメリカ在住7年目になりフルタイムで働いていました。
サイドビジネスとして始めたのが個人で保険を売る仕事です。
保険を販売する仕事をする人の総称はInsurance agent(またはbroker)、その資格をInsurance Producer Licenseと呼びます。
日本でもそうですが、アメリカでも保険商品の販売には資格が必要です。

保険販売に興味を持ったきっかけ

よくある投資セミナーみたいのに参加したのが元々のきっかけです。
ぶっちゃけ詐欺まがいのセミナーだったと確信しています(汗)
そのセミナーで知り合った方が保険会社勤務で色々とお話を伺ったことで保険エージェントとしての仕事に興味を持ちました。

アメリカで様々な業界で経験を積みたかった

サイドビジネスで収入を得たい、とか保険販売に興味があった、というのではなくとにかくアメリカで色々な職務経験を積みたかった、というのが本音です。

外国人である私達が英語で資格を取るのは正直ハードルは高いです。

知り合った保険会社の方が試験に難しい単語はそんなに出てこない、というのでその言葉を信じて受験することにしました。

【Insurance agent資格試験】受験前の準備

【Insurance agent資格試験】受験前の準備

 

アメリカでは保険を売るには州指定の講習を受けた後に各州が定める試験を受けて合格する必要があります。
講習時間や試験については州によりまちまちです。
自分が働く州の定める講習と試験を受ける必要があります。

ステップ1:働く形態を決める

まず第一に自分がどのような形でエージェントとして働くのか決めます。

①ひとつの保険会社に勤務してその会社の保険を販売

例としては○○保険会社に勤めて自社の保険商品のみの販売の仕事をする、というようなパターンです。
個人で保険代理店をしている人は元々は保険会社に勤務していて独立した、という場合が多いです。
在職中に保険販売のノウハウを学べるので独立しやすい業種と言えます。
転勤などでアメリカに来て保険会社で働く場合でもライセンス取得を是非目指してください。
昇給、自立など将来役に立つかもしれません。

②自分が代理店となり数社の保険を販売

こちらは自身が代理店となり様々な保険会社の商品を販売する方法です。
個人事業主みたいなものですね。
もちろんライセンスがなければ代理店にはなれません。
私がやっていたのはこちらの形態です。

保険販売のライセンスには種類がある

販売する保険にはいくつか種類がありますが、ライセンスは大まかに以下2種類に分けられます。
① Property and casualty license: 車、家(火災保険など)やビジネス関連の保険を販売
② Life, health, and accident license: 生命保険や健康保険などひとの命に関わる保険を販売

私が取得したのは①のライセンスです。

保険販売のライセンスを取るまで

保険販売のライセンスを取るまで

英語を母国語としているひとなら思い立ってから数週間でライセンスを取れる人もいます。
私の場合のんびり勉強していたのもあり3ヶ月を要しました。

州のライセンス管轄のホームページを確認

日本では都道府県が定める保険販売員の資格試験は無く、保険業界の定める講習や試験を受ける必要があります。
アメリカはほとんどの資格テストや免許関連は州によって決められ管理されています。
保険販売の資格も各州が管理しています。

前述しましたがライセンス取得に必要な講習や試験は州によって違います。
州のホームページを確認する作業から始めましょう。
州により管轄する部署の呼び名は多少違いますが、ネットで州名insurance licenseの文字を入れればヒットするはずです。
ご参考までに管轄するところの呼び名例です。

●Department of Commerce and Consumer Affairs
●Department of Insurance
●Insurance Division

講習を受ける

対面授業も可能な州でしたが、いつでも受講できるオンライン講習を受けることにしました。
その講習時間は20時間でOKの州から40時間受けなければいけない州もありまちまち。
私が働こうと思っていた州は20時間でした。
ただ1回では理解できないことも多かったのでノートをとりながら何度も繰り返し動画を観て勉強しました。

試験を受ける

資格試験の日程も州ごとに異なります。

私の場合、管轄に電話して、希望の会場で空いている日時を予約する、という感じでした。
日本では考えられないですが、週に何日も州内のどこかで試験が行われています。
今はサイト予約ができる州も多いです。
年1とかの試験ではないので気楽に受けられますよ。受験料はかかりますが、、

試験問題について

マネーロンダリングに関する事項が多かった気がします。
アメリカの大統領は誰かとか独立記念日はいつか、みたいな問題もあります。
全て選択式なのでスペルの心配は要りません。
問題文を理解するには高校卒業程度の英語力で十分です。
試験の合否は試験後その場で伝えられました。

バックグラウンドチェックがあるかも?

合格したら前述の州のライセンス管轄部署に書類を提出します。
その際指紋採取がありました。
犯罪歴などを調べられる州もあります。

ライセンスを取得したら代理店になろう

ライセンスを取得したら代理店になろう
ここまでくれば大丈夫!
州の登録が終わったら保険販売の代理店になる準備はOKです。
おそらくこの時点でどんな保険を売っていきたいか何となくイメージはできていると思います。

とは言え、、不安しかないですよね?

私は保険会社に属せず個人の代理店として保険販売をしていたのでこちらの方法で説明します。

日本語を武器にする

アメリカには多くの日本人が住んでいます。
私は最初日本人をメインターゲットにしようと考えました。
保険などは言語が変わるとより難しく感じるので日本語で説明してもらえると安心感が違います。
フリーペーパーや日本人のコミュニティサイトに継続で広告を出すと顧客獲得に有効です。

初心者が売りやすい保険

売りやすい保険、という言い方が適切かどうかは分かりませんが、住宅火災保険は売りやすいと言えるでしょう。
保険会社からは車の保険が初心者向けだ、と説明を受けましたが、車の事故や破損は多いので面倒と感じました。
それに比べて火事になる可能性は非常に低いです。
事実私の顧客の火災保険金の請求手続きをしたことは今日現在まで一度もありません。

いよいよ保険会社と契約を結びます

保険会社にアポイントメントを取って書面を交わします。
ほとんどの保険会社で担当者が付きます。
来社の際には担当者と積極的にコミュニケーションをとり、自分の強み(日本語など)をアピールしておくと良いです。
帰宅後はお礼のメールも忘れずに。
自分を印象づけておくと日本人の顧客などを紹介してもらえるなど必ず利益につながります。

保険販売の仕事をしている知人がいれば色々教えてもらえるのですが・・・
私もそうでしたが何もかもひとりでできる自信がない、という方はとにかく保険会社の担当者に何でも聞く!につきます。
とにかく担当者と仲良くなっておきましょう!

自分も保険で守る

開業する際には必ず保険に加入しましょう。
色々な種類の保険がありますが、代理店をひとりで運営する場合はGeneral liability insuranceだけで十分。
万が一契約しに来た顧客が事務所で転んで怪我をしたりした時などに役に立つ保険です。
他にも様々なビジネス関連の保険がありますが、保険代理店が訴えられる、事案というのはあまり無いと思いますが、不安な方は保険会社の担当者に聞いてみると良いです。

大体が訴訟対象は保険会社であって代理店ではないからです。

保険エージェントとして働くためにやったこと

保険エージェントとして働くためにやったこと

手続きが全て済んだら少しずつ保険代理店の仕事を始めていきましょう。
身内や友人に最初に勧めるのもいいかも?嫌がられるかもしれませんが笑
色々な方法はあると思いますが私のビジネスの進め方をお話します。

保険の基礎を勉強する【自分が売る保険だけでOK】

保険を売るには保険に関する基礎知識が必要です。
何と言う名前の保険で何がどこまでカバーされるのか、という基礎だけ覚えておけば十分です。
深堀すると迷路に入りこんでしまいます。
勉強は自分が売る保険の種類の基礎だけで十分です!

店舗を借りる必要はない

保険代理店を営んでいるひとの多くは自宅の一室を事務所にしたり、または事務所自体を持たない形で営業しています。
もちろん多くの種類の保険商品を扱い、社員をおいて営んでいる場合もあります。

事務所を持たなくても信用してもらえるのはなぜ?

保険の説明や契約の際に保険会社のミーティングルームを借りられる場合がほとんどです。
名の知れた保険会社の一室で契約するのですから顧客の安心感は大きいです。
私も新規顧客の契約は毎回保険会社の一室で行いました。

ホームページを開設する

ホームページ開設は早い段階で開設した方が良いです。
名刺にホームページのアドレスを載せるだけで信用度がアップします。
無料、または非常に安価で素人でも作れるサイトがいくつもあるのでそういったサービスをうまく利用しましょう。

地域の商工会議所に登録する

地域の商工会議所(Chamber of Commerce)に連絡をとりメンバーになっておくことをおすすめします。
どんな利点があるかというと・・・

  • 商工会議所のサイトにビジネスを載せてもらえる
  • ビジネスについて分からないことなどを相談できる
  • 地元で商売をする人達と交流できる

などなど小規模ビジネスにとって利点しかありません。

【まとめ】中級英語力で保険エージェントになれる

あくまで私個人の体験からの感想です。
もちろんですが、どんなに英語力が高くても勉強しないとライセンス試験には受かりません。
でも高卒程度の英語力があれば大丈夫、と言う印象でした。
勉強しているうちに自然と内容が理解できるようになります。

私の場合、フルタイムの仕事をしながら空き時間に勉強して、資格を取って、空き時間にちょっと保険販売の仕事をする、というスタイルでした。

【まとめ】中級英語力でも保険エージェントになれる
「自分のペースで」、を忘れずゆっくり進めていけばストレスになりません。
私は開業してからも自分のできる時だけやる感じでした。
大丈夫、最初からそんなに忙しくならないから笑
のんびりやって1年も経つとすっかり慣れてきますよ。