在宅時間が増えて急激に需要が高まった「バーチャルオフィス」。
どの様なサービスで誰がどんな目的で使っているのでしょう?
実はバーチャルオフィスはフリーランスや副業をしている方には強い味方になるビジネスツールとも言えるのです。
バーチャルオフィスって何?
バーチャルオフィスってどうやって使うの?
などの疑問や基本的な使い方、賢いバーチャルオフィスの選び方などについて解説しています。
目次
バーチャルオフィスとは?基本サービスとオプション

バーチャルオフィスは2005年頃から始まったサービスで「住所」と「電話番号」のレンタルが基本的なサービスです。
多くのフリーランス、副業などで自宅で仕事をしている人がビジネス用の住所や電話番号として利用しています。
レンタルオフィスや通信事業者などが事業の一環として行っていることが多いです。
この章ではサービスの詳細を解説します。
基本サービス
会社により多少サービス内容は違いますが、バーチャルオフィスの契約は基本プランがあり、更に必要なサービスをオプションで追加したプランなど各会社ともいくつかのプランの用意があります。
住所貸し
個人事業主など、仕事用の住所が必要な方のために住所を貸してくれるサービスです。
「住所」を貸してくれるだけであって、実際にその住所で仕事をするわけではありません。
その住所は名刺やホームページなどに記載することができます。
住所は個人事業主の住所利用だけでなく、会社設立などの法人登記にも使用可能です。
首都圏がメインのサービスと思われがちですが、バーチャルオフィスの大手は全国展開しているところもあります。
荷物受け取り
住所を借りると郵便物や荷物はその住所を送付先として利用できます。その郵便物などを受け取ってくれるサービスです。
私書箱のようなイメージです。
「荷物受け取り」のサービスはバーチャルオフィス基本プラン料金に含まれていることがほとんどです。
荷物転送サービス
受け取った荷物や郵便物を取りに行ければ問題ないのですが、遠方に住んでいる場合などは自宅等に転送してもらう「転送サービス」を利用すると良いでしょう。
バーチャルオフィスの転送サービスは手数料がかかるところ、送料のみ負担で手数料無料なところなどサービス内容は会社により異なります。
オプションサービス
「住所貸し」と「荷物受け取り」の基本サービスの利用だけでもかなりビジネスがやりやすくなります。
しかし、事業内容によっては「固定電話番号があった方が良い」「ミーティングできる部屋が欲しい」などより実際のオフィスにより近づいたサービスを求めている場合があります。
バーチャルオフィスでは様々なビジネス形態のニーズに応えて利用できるサービスがオプションとして用意されています。
電話転送サービス
事業によっては固定電話番号があるとないとでは取引先からの信用度に大きな差が出ます。
そういったビジネスオーナー向けにオプションで固定電話番号をレンタルし、着信があった場合に自身の携帯電話に転送してくれるサービスです。
自分は沖縄にいて東京の電話番号を受ける、ということも可能になりますね。
電話代行サービス
レンタルした固定電話番号にかかってきた電話をバーチャルオフィスのスタッフに代行で対応してもらうサービスです。
秘書サービスと呼んでいる会社もあります。
まさに秘書のような役割をしてくれるわけです。
このサービスも更にビジネスの信頼度を上げたい時のお役立ちサービスです。
会議室の利用
顧客とのミーティングや契約を交わす際などオフィスが必要な場合があります。
カフェなどでも可能かと思いますが、オフィスを使うことでだいぶ顧客からの信頼度は上がることは言うまでもありません。
ビジネスの種類にもよりますが、特に新規契約時などはカフェはNGと思っていた方が良いでしょう。
バーチャルオフィスでは会議室が時間貸しで使えるところがあります。
レンタルオフィスやコワーキングスペースよりも会社感があります。
バーチャルオフィスはこんな人達が使っている
さて、実際バーチャルオフィスはどんな人達が利用しているのでしょうか?
主な利用者はフリーランスの人、副業をしている人、スタートアップ企業などです。
個人事業主の他、これから法人化を目指す方、法人化はしたが、ごく小規模の会社などもランニングコストを抑えるために利用しています。
バーチャルオフィスの主な利用目的:
- 名刺にビジネス用の住所を記載したい
- ホームページに事業の住所を記載したい
- 仕事用の郵便物や荷物を受け取る住所が欲しい
- 東京や大阪に住所や電話番号が欲しい
バーチャルオフィスはこんな人・ビジネスにおすすめ
パソコンだけでできるフリーランスや副業
フリーランスや副業などで収入を得ている人は多くが個人事業主という業務形態で自宅でビジネスをしています。
特にIT系、翻訳、オンライン講師などの仕事はオフィスがなくても自宅でパソコンひとつで仕事ができます。
顧客からの信頼度を上げて、新規顧客を増やすためにバーチャルオフィスを多くの個人事業主が利用しています。
個人事業主にとってはバーチャルオフィスは安価で有効なビジネスツールです。
オンラインショッピングビジネス
近年は個人でもECサイトを簡単に作成できるツールが増えたことで「個人がネットで物を売る」というマーケットは拡大する一方です。
物品を売る、だけでなくオークションサイトだけで生活している個人も少なくありません。
発送元やホームページなどに自宅の住所や電話番号を記載したくない、という人も多く、こういった方のバーチャルオフィスの利用が増えています。
スタートアップ企業
起業や新規事業立ち上げなどの際にオフィスを借りる資金が無い、初期投資を抑えたい、と考える事業主にバーチャルオフィスはよく利用されています。
運用資金が調達できない、銀行からまだ融資を受けるのは厳しい、でもビジネスは進めて行きたい。
そう考えている場合、バーチャルオフィスで住所貸しや電話サービスを利用することでそのランニングコストはかなり節約できます。
バーチャルオフィスを使うメリットとは?

プライバシーを保護しながら安心してビジネスができる
名刺などに自宅住所を事務所として平気で載せているフリーランスの方もいますが、自宅とビジネスの住所はプライバシー保護の観点から分けておくことをおすすめします。
万が一顧客とトラブルになった場合などを想定して自宅の住所を不特定多数に公開するのはやめましょう。
特に会社として登記する場合、自宅住所での登記は避けましょう。登記情報は誰でも請求すればネット上でも情報の閲覧が可能です。
初期投資を抑えたい、という思いから「とりあえず登記住所は自宅にしておこう」として、後で後悔するパターンも良くあるケースです。
個人や家族のプライバシー保護対策としてバーチャルオフィスを有効利用しましょう。
ECサイト運営には特に便利
ECサイトやオークションなどでネットで販売ビジネスをする場合はホームページに事業者情報を開示することが義務付けられています。
インターネットで販売ビジネスをする際にはバーチャルオフィスの住所や電話番号はとても役に立ちます。
ネット販売ビジネスは基本的にお客さんと会うことがありません。
規模にもよりますが、小規模で自分ひとり、または家族で運営する場合、商品を置くスペースさえ確保できればオフィスを借りる必要もありません。
ホームページなどに記載するサイト運営者(送り主)の住所が自宅の○○ハイツよりバーチャルオフィスでレンタルする住所の○○ビルの方がビジネスとして運営しやすいという点も大きなメリットと言えます。
都心の一等地の住所が使える
ビジネスを運営するにあたり、住所や電話番号というのは信用を得るためのビジネスツールであると言い切れます。
特に近年は携帯電話による詐欺や迷惑電話の増加に伴い、知らない携帯電話番号には出ない、という人がほとんどです。
また、営業者の名刺にきちんと住所が記されているだけで不信感はだいぶ軽減されるのです。
バーチャルオフィスは、例えば東京や大阪の一等地の住所を借りることも可能です。
オフィスの住所が東京都中央区銀座となっているだけで信頼度がぐっと上がり、商談が進みやすくなる、ということもあるでしょう。
特に独立したてのフリーランスの方、これから起業使用という方こそビジネスの信用度を上げる住所や電話番号必要です。
地方住所も上手に利用
都心の住所だけに注目しがちですが、実は地方住所もビジネスによっては有効活用できるのです。
例えば北海道の特産品を売るECサイトを東京の自宅で運営していて、バイヤーは北海道にいる、と言う場合などです。
ホームページ上に東京オフィス、北海道オフィス、と記載するだけで「北海道から送ってくれているんだ」とサイトを見ているお客さんを安心させる効果があります。
バーチャルオフィスの住所や電話番号の賢い利用法は幾通りもありますね。
バーチャルオフィスのデメリット
次にバーチャルオフィスを利用する上でのデメリットも知っておきましょう。
業種により向き不向きがある
オンラインなどで物販のビジネスをする場合、商品だけでなく、梱包用品などは案外場所をとります。
住所はバーチャルオフィスで確保したものの、物の保管場所、作業する場所がない、と言うことにならないように気をつけましょう。
最初に物品などの保管場所、作業場を自宅などに確保できるかどうか確認してからバーチャルオフィスで住所を取得するようにしましょう。
また、バーチャルオフィスは古物商や派遣業のオフィス、製造業など実際に人がいないと成り立たないビジネスにはバーチャルオフィスは使うことができません。
会議室を利用できる場所が限られている
打ち合わせなどで会議室を利用したくても都合の良い場所にあるとは限りません。
時間貸しのレンタルオフィスやカフェなどで代用は可能ですが、同じ相手と何度も打ち合わせするような場合、毎回場所が変わるのも不自然です。
契約が成立するまでなるべく合うのは一度にして後は極力電話やメールなどで済ませるようにもって行く工夫が必要になるかもしれません。
実績があると、カフェでの打ち合わせも不信感をいだかれることもなくできますよ。
バーチャルオフィス利用の疑問と回答まとめ

会社登記はできるの?
バーチャルオフィスは会社の登記が可能な住所です。
本店としてだけではなく支店、営業所などとしての登記も可能です。
賃貸マンションなどを事務所にしている場合、家主が法人登記を認めない場合があります。そういう場合にバーチャルオフィスを登記住所として利用する方もいます。
税金はどうなるの?
個人事業主は所得税を納める必要がありますが、自宅、または、バーチャルオフィスの住所、どちらかを納税地として登録し、その管轄の税務署で納税します。
住民税は居住地の管轄の税務署に納めるので所得税も居住地の管轄に合わせて登録しておいたほうが納税が楽です。
法人化した場合、法人税を納めますが、バーチャルオフィスの住所で法人登記した場合、基本的にその住所の管轄の税務署に法人税を納めます。
バーチャルオフィスの住所を法人税の納税地として登録しましょう。
法人名で銀行口座は開ける?
大手都市銀行などはバーチャルオフィスの住所での口座開設が難しい場合もあります。
地方銀行や信用金庫など小規模ビジネスを応援してくれそうな金融機関にいくつか相談してみることをおすすめします。
バーチャルオフィスであることを黙っていても今の時代は全てコンピューターで調べられるのですぐバレます。
後でバレるより最初から申し出た方が信頼度は高いでしょう。
なぜバーチャルオフィスを使っているのかをきちんと説明できるようにしておきましょう。
法人化する前の事業実績のデータや納税記録などを持参しビジネスの実態を証明し、信用してもらうことができれば口座開設のハードルは下がります。
法人口座開設が難しい場合の解決策
ビジネス運営にはどうしても銀行口座が必要です。
事業実績不足などの理由で法人名での銀行口座開設ができなかった場合の対処法:
ビジネス名+個人名でビジネス口座を作成しましょう。
この場合の口座名はビジネス名+個人名という風になりますが、提出書類さえそろえばほとんどの場合、ビジネス口座は開設できます。
ビジネス口座を作成するには自分が普段使っている(できれば長年)銀行に行きましょう。
個人口座で長年の利用歴があるとビジネス口座も作りやすいです。
銀行から融資は受けられる?
融資する側からすると、住所がバーチャルオフィスということが懸念材料、ということはありえなくはないですが、住所がネックで融資が受けられない、ということは無いでしょう。
事務所を構えている方がランニングコストはかかるためかえって懸念材料になる場合もあります。
起業し始めはどんなビジネスでもどんな住所でも銀行からの信用は低いのです。
しっかりとしたビジネスプランを示すことで融資も受けやすくなります。
バーチャルオフィスのおすすめ利用法とは?

バーチャルオフィスは近年急速に数を伸ばしているビジネスのひとつです。
中には格安を売りに違法に住所貸しをしているところやいつの間にか連絡がとれなくなってしまうことろもあります。
バーチャルオフィスとして歴史のある会社、全国展開しているようなバーチャルオフィスを選んでおくと安心です。
賢いバーチャルオフィスの利用方法:
- 自分のビジネスにあったサービスを選択する
- ビジネスの信用度をあげる利用の仕方をする
- 歴史があり、全国展開している会社を選ぶ
個別に見ていきましょう。
自分のビジネスにあったサービスを選択する
主に自宅のパソコン一台で仕事ができるビジネス運営には、バーチャルオフィスは住所貸しと郵便物の転送をしてくれる基本サービスの契約で十分かと思います。
オンラインミーティングや電子契約書などのオンラインで全てのビジネスが完結するようにするとコスト削減につながります。
電話転送サービスはオンラインで物販ビジネスなどをする場合は固定電話の電話番号があると購入につながりやすいのは確かです。
また、自宅近くのバーチャルオフィスは郵便物も頻繁に取りに行けるので更に便利な使い方ができます。
ビジネスの信用度を上げる利用の仕方をする
個人事業主や起業したての会社はとにかく信用を得ることが第一優先です。
信用が得られなければ顧客獲得につながらず、収入にもなりません。
電話代行サービスはスタッフが秘書代わりとして電話に出てくれます。オンラインメインのビジネスであってもより信用を得たい場合には非常に有効なサービスです。
また、東京や大阪など都市部のバーチャルオフィスを利用することで、地方で仕事をしていても、「東京オフィス」などとして名刺などに記入できます。
都市部での営業活動や顧客獲得に有効活用できます。
信用できる会社を選ぶ
前述していますが、数多くのバーチャルオフィスがあります。
急に連絡が取れなくなる、契約解除後もカードで利用料の引き落としが続いているなどトラブルも報告されています。
利用料の支払いにクレジットカードなどを使用する場合もありますし、バーチャルオフィスとしての歴史があり全国展開している信用のおける会社を選ぶことをおすすめします。
安心できるバーチャルオフィスがやっぱりおすすめ
ここでネットショップ運営者、IT系ビジネスのWebクリエーターやプログラマー、翻訳家などの多くが利用しているバーチャルオフィスの老舗をご紹介します。
Karigoはバーチャルオフィスがまだメジャーではない2006年から運営を開始し、全国に56拠点を持つ会社です。
フリーランスとして独立している方はもちろん、副業で収入を得ている方、バーチャルオフィスを初めて利用する方にも安心しておすすめできる会社です。
料金プラン、サービスの詳細はKarigoの公式ホームページからご確認ください。
固定電話番号だけのレンタルサービスもあり
ビジネス用の住所は不要で固定電話番号だけ欲しい、という方もいると思います。
Toones転送電話は固定電話の番号をレンタルサービスです。
発信者は固定電話番号に電話しますが、着信はあなたの携帯で受けることができます。
また、レンタルした固定電話の番号を携帯電話から相手に通知して発信することもできる便利なサービスです。
Toones転送電話の運営会社はバーチャルオフィスのKarigoであり、電気通信事業者としての届出をしている会社なのでこちらも安心のサービスです。
まとめ:バーチャルオフィスは顧客を増やせるビジネスツール
インターネットやパソコンの普及からひとりで自宅でビジネスをする人が増えています。
個人で仕事をする上でのお悩みは何と言っても「信用」の獲得です。
その信用を得るためにビジネス拠点の住所や電話番号は重要な役割をします。
バーチャルオフィスはフリーランスや副業などでオフィスを構えず仕事をする人は利用すべきビジネスツールです。
住所や電話番号があるだけで信用度はかなりアップします。
主にPCやオンラインで仕事をしているのでコワーキングスペースを使うまでもない、と言う方は安価にビジネス用の住所が手に入るバーチャルオフィスから始めてみると良いでしょう。
ランニングコストを抑えながらビジネスを拡大していくためには月数千円のバーチャルオフィス代は安価な投資です。
自分のビジネスに必要なサービスを選んで賢くバーチャルオフィスを利用してみて下さいね。

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